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論評:口腔内粘膜リンパ免疫の重要性【メディカル・サイエンス・ダイジェスト誌】
MSD (メディカル・サイエンス・ダイジェスト) 2011年 11月号、特集「粘膜免疫機構」(抜粋)
論評: 口腔内粘膜リンパ免疫の重要性
―悪性腫瘍、難治性慢性ウイルス感染症等の多種既知天然素材混合物の口中投与による治癒―
 松田 忍  医学博士
 (有)ホロンライフサイエンス代表取締役

出版社: ニュー・サイエンス社; 月刊版 (2011/10/20)


論評: 口腔内粘膜リンパ免疫の重要性
―悪性腫瘍、難治性慢性ウイルス感染症等の多種既知天然素材混合物の口中投与による治癒―

Commentary: The importance of lymphocyte immunity in oral mucosa
― Cure of malignant tumors, intractable chronic viral infections, etc via oral administration of well-known natural-ingredient mixtures ―  
 松田 忍  医学博士
 (有)ホロンライフサイエンス代表取締役
                            
[Abstract]
適正に配合されたこれまで毒性の見られていない多種既知天然素材成分の混合粉末サンプルの継続的経口投与により、種々の悪性新生物や慢性ウイルス感染症が治癒する。アレルギー、自己免疫病治療などへの応用も期待される。作用機序は今後詳細な研究が必要であるが、基本的には口腔粘膜に常在するリンパ球に対する投与サンプルの直接接触刺激が生体内のリンパ免疫能力を僅かに増強、調整するためではないかと推定している。この発見はできれば成果の一部をソーシャルビジネス化して世界的に普及したい。
               
[悪性新生物からの人類の救済]
 我が国の総人口は平成22年約1億2千805万人、平均寿命は男子79.6歳、女子86.3歳 1, 39頁)で、今日国際的に最高レベルの長寿国となった。
 しかし、死因総数について見ると長年一貫して三大死因(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患)が上位を占めており、特に悪性新生物はトップで、毎年少しずつだが増加を続けている1, 50頁)。概数ではあるが、平成22年の我が国の死亡者数は119万7千人で、そのうち悪性新生物による死亡者数は約1/3の35万3千人にも及んでいる。
 欧米先進諸国においても悪性新生物の治療及び防御に関してはさしたる成果が示されていないが、人類社会はいつまでも問題解決に惰性の対策で手をこまねいているべきではなく、20世紀の細菌感染に対する抗生物質の開発のような決定的な成果をそろそろ打ち出すべき時にきていると著者は考える。悪性新生物と慢性ウイルス感染に対する体内の防御機構は両者類似していることが推定され、ともにリンパ免疫が主役と考えられる。生体内リンパ免疫機構の活力向上に刺激を与えるには、口腔内粘膜に常在するリンパ球の役割に着目することが的を得ているように思う。
 本論文は悪性新生物治療の今後のあり方に関連して著者の成果の一端を紹介し作業仮説を交えて論評したい。悪性新生物と悪性腫瘍は同じ意味に使用する。

[慢性ウイルス感染症の効果的治療の方向]
  現在広く注目されている慢性ウイルス肝炎を難治性ウイル感染症の典型例として取り上げ説明する。著者は長年医学ウイルス学研究者であった。特に一時期故石田名香雄東北大学名誉教授(元東北大学総長、元厚生省ウイルス肝炎研究班班長、元国際ウイルス学会会長)の下でB型ウイルス肝炎の診断法の確立や本態究明研究に努力してきたので、この疾患は馴染み深い。
  肝炎ウイルス保持者は病変が肝炎から肝硬変、原発生肝癌へと移行する症例が多く、この病原ウイルスは一種の癌ウイルスと考えられている。症例数の上で問題とすべきはB型及びC型肝炎である。
B型ウイルス肝炎に遅れて感染の実態が明らかになってきたC型ウイルス肝炎はこうした慢性化から肝硬変、肝癌への移行の傾向がB型ウイルス肝炎よりもさらに顕著であることが示唆されている。日本にはB型肝炎ウイルスのキャリアは約110万―140万人、C型肝炎ウイルスのキャリアは約200万―240万人いると推定されている1, 133頁)。また、慢性ウイルス肝炎は中国、エジプト等の諸国においては我が国より多数の罹患者がいると言われており、できれば海外のウイルスキャリアをも是非救済しなければならない。
 慢性、不顕性ウイルス感染は肝炎以外にも、エイズ、水痘・帯状疱疹など多数があり、更に今後新たな不顕性感染病原微生物が発見されてくることも考えられる。また現在治癒困難な種々の持続性の発病機作不明の内科疾患には既知の病原体の不顕性感染が病因となっていることも推察される。これら慢性ウイルス感染症の対策においても安全で効果的な薬剤あるいは健康食品の開発を実現しなければならない。一方さらに、リンパ免疫の効果発現には心の状態が大きく関係する(1、2)。心療内科的医療技術の拡大発展にも官民挙げて協力すべきである。
 近代の医学研究はクロード・ベルナール「実験医学序説」1865年(3)以来、実験を中心にした自然科学的手法によって詳細な実証成績と解釈を順序正しく積み重ね、試行錯誤と修正を繰り返して学説を構築する方法を続けてきた。これは正しい信頼できる研究方法ではある。しかし、研究対象や目標がかなり明確な生体内の生理学的、生化学的作用機構等の研究であればともかくも、悪性新生物や慢性ウイルス感染に対する安全で真に有効な治療薬を発見し実用化しようとする場合、実際問題としてどのような治療薬や方法が適当であるのかについて具体的に大枠にすべき骨格や詳しい研究目標対象等が分らぬままに、自然科学的思考に基づいた手法やまとめ方だけを金科玉条のごとく最重要視して五里霧中の中で仕事を進めても、満足すべき成果は運次第となり容易に挙がらずきわめて非能率、非効率に経費と時間を浪費して行くことになる。研究の効率的な進め方について柔軟で幅広い思考態度や要領、利害にとらわれない的正な評価等を初心に戻りクロード・ベルナールの精神から再度学ぶべきであろう。
 研究課題によっては基礎的自然科学的研究を積み重ねてゆく方法がベストとは限らない。効果的な新薬が先に発明されて中心となる大枠が具体的且つ明確になってから、何故効くのかと言う研究が多少後追いで進められたとしてもやむを得ぬ場合があるのではないだろうか。一人でも多くの患者を早く救済すべきであろう。
 
[既知天然素材混合物の優れた有効性]
 天然素材が悪性腫瘍に多少なりとも有効性を示すことがあるという知見は古くから取りざたされてきた。それらの中で著者が、1980年代末頃から、制癌性の観点から真剣に注目してきた2種類の素材がある。それはプロポリスとアガリクスである。健康食品の業界で両者ともに一時期大きなブームとなった。しかし、何故効くのか、どの程度効くのかといった基本的な問いに対する回答は充分になされず、ブームが過ぎると、不当に低い評価を与えられて舞台から両者は下げられた感がある。全く呆れた業界で著者は憤慨に堪えない。両サンプルは悪性新生物治療のために人類の宝とも言うべき貴重な天然素材である。
 プロポリスはミツバチが巣箱の修復のために、植物の樹脂成分を集めて花粉や自らの唾液などを混合した一種のヤニである(4、5)。多少なりの様々な薬効が注目されて古く紀元前のギリシャ、ローマ時代から東欧州を中心に民間薬として使用されて来たが、人癌に対する優れた効力が認められたのは比較的近年で、これには1990年我が国の松野哲也博士の効力発見と彼のその後の努力によるところが大きな貢献をしている(6、7)。制癌作用発見の経緯は彼の文献(8)に記載されているが、プロポリスが制癌作用を示した実際のいくつかの症例についても松野は一般書に丁寧に紹介している(6)。有効成分分析も行われ(7)、それらしき有効成分の同定もなされたが、正確な活性上昇の程度や治療への応用等は不明である。
 アガリクス茸はブラジル原産で古くから原住民のインディオに使用されてきたが、1990年代にレーガン元米国大統領の悪性腫瘍の治療に試用されて以来広く知られるようになった。我が国へはブラジルサンパウロ州の野澤弘司氏によって最初に紹介された。その後プロポリス、アガリクスの原素材ともに安全性の点で信頼でき、特に優れた活性を有するサンプルがサンパウロの平尾健氏によって紹介された。
 両サンプルの特徴について、著者には一般にプロポリスは効き味は鋭いが効果を示す癌腫は限られており、アガリクス茸は種々の癌腫に幅広く効果を示すものの、その効き味はプロポロスの著効例には及ばないように推察された。
 1990年代末に元名古屋大学医学部のM博士から夫人(当時80歳、医師)の肺癌の経過が思わしくなく、何か良い手立てがないものか著者は差し迫った相談を受けた。そこで粉末化したプロポリスと粉末化したアガリクスとの混合サンプルの推定最適量を毎日3−4回経口摂取することを勧めた。肺癌の治療は当時プロポリス単独では困難であり、広範囲制癌スペクトルを有するアガリクスの併用を考えた。
 M夫人はすぐ同意し実行された。何らの毒性も副作用も見られずに経過し、約3か月後M博士から電話があり、腫瘍が縮小しつつあり夫人の病状が好転していることが知らされた。更に半年後再び連絡があり、肺癌病変が消滅したらしいとの連絡を受けた。心からの御礼の言葉とともにM博士は「これでついに世界の癌の問題は片づきましたね」と言われた。天然素材混合サンプル口腔内投与療法の優れた効果を目の当たりにした上で忘れられない言葉であった。

[まとめ]
 著者は、染色原料として世界的に知られた徳島佐藤阿波藍製造所の阿波すくも藍の抽出成分がエイズの病原ウイルスHIVに対して防御効果を示すことを、山本直樹元東京医科歯科大学大学院教授の研究協力により発見した(9、10)。国産の阿波藍は大変な薬草であったが、現代の名工佐藤昭人氏が原料生素材を100日間発酵させて製造した阿波すくも藍の抽出成分はより効力向上が見られ、他種ウイルス、抗生物質耐性細菌、寄生虫などに幅広く防御作用を示すという情報がその後次第に蓄積されている。阿波佐藤藍(9)は貴重植物としてWHO世界遺産にぜひ登録したいものである。その後プロポリスとアガリクスの混合加工粉末試薬に是非最適推定量の阿波すくも藍抽出成分を添加して欲しいとの要望が寄せられ実行している。
 まだ作業仮説ではあるが、著者のリンパ球による免疫療法は基本的には口腔粘膜に常在するリンパ球を直接刺激してそれを仲介として、他のリンパ球集団による生体内の排除すべき悪性腫瘍細胞やウイルス潜在感染細胞の識別機能の僅かな向上を目指す生体機能依存間接的治療方式である。適量を毎日継続的に経口投与(口腔粘膜刺激)を繰り返すことにより、腫瘍の増殖が暫く一旦停止した後次第に縮小がはじまる。原発性肝癌は腫瘍、肝硬変、肝炎の順に治癒が進行する。排除を示された悪性腫瘍細胞やウイルス持続感染細胞はキラーリンパ球によって殺処分されるのであろう。キラーリンパ球の活動は病状、年齢により容易に衰えないようである。しかし、この基本現象に加えて実際の作用機序は生体のより多くの複雑な仕組みが関与していることであろう。
 多種混合天然素材の効果は腫瘍の種類、ステージ、患者の性別、年齢等の条件に関係なく発揮されるが、骨転移などの痛みのためにモルヒネを使用するようになった場合、あるいは全身衰弱激しく食欲も大きく低下したような場合は効果発現が損なわれて救命は困難となる。現在これらの末期状態の人々のために効果を一段と増強した最終的サンプル(健康食品)の開発を検討しているが痛みのある末期患者の治療増強についてはあまり大きな期待はできない。痛みが生じる以前に迷わず指示どうり正しく摂取を開始した人々は殆ど治癒している。激しい痛みがくると、モルヒネの直接の効力妨害作用に加えて恐怖、不安が患者さんの心理的精神的負担を増大し、腫瘍増殖に抵抗するリンパ免疫全体の能力は損なわれて行く。
 最後となったが著者は、現在の段階で、悪性新生物や潜在ウイルス感染を治癒へ導く重要な第一の要因は患者さんの心で、第二は最適と思われる条件での多種混合天然素材サンプルの投与ではないかと考える。既に繰り返し述べたが、患者さんの心理、精神状態はリンパ免疫の活動に大きな影響を与える(2)。社会、行政、医療業界全体でこの問題を重視してここでも医の原点にもどり、患者さんに明るい希望と生き甲斐を与えられるような思いやりの態度と行動に満ちた医療の普及に努力するべきである。そして、ここに述べた事実が次第に拡大し社会に無理なく受け入れられるようになった時には、成果の一部をソーシャルビジネスとして高額の医療から取り残された世界の不運な人々への援助にもお役に立てたいものである。

文 献
1.「国民衛生の動向」2011/2012 厚生労働統計協会
2.「がんは自分で治せる」安保徹、平成14年、マキノ出版
3.「がんは「気持ち」で治るのか!?」川村則行編著、1994年、
  三一書房
4.「実験医学序説」クロード・ベルナール、三浦岱栄訳、1938年、岩波書店
5.“プロポリスの生物作用とその有用性”松田忍、食品と開発39: 5―8, 1994
6.“プロポリスー健康補助食品”松田忍、ミツバチ科学 15: 145―154, 1994
7.「プロポリスーその薬効を探る」松野哲也、1994年、リヨン社 
8.「いまなぜプロポリスか」松野哲也、1995年、曜曜社出版
9.「がんは誰がなおすのか」40頁、松野哲也、2005年、晶文社
10.“阿波藍を語るー21世紀の健康食品医薬品の可能性を秘めた
  植物―“松田忍、伝承と創造 日本の藍(NHK出版)53―63頁、2002年
11.“Highly potent ant-HIV-1 activity isolated from fermented
Polygonum tinctorium Aiton. Yu Zhong, Yoshiyuki Yoshinaka, Noriko Shimizu, Sayaka Yoshizaki, Yoshio Inagaki, Shinobu Matsuda, Gisho Honda, Nobutaka Fujii,
Naoki Yamamoto: Antiviral Research 66, 119―128(2005)


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